歯の一部に真っ白な部分があり白いシミのようにみえることがあります。
これを「ホワイトスポット」といいます。
上の写真のような感じです。
ホワイトスポットの原因は２つあります。
一つは、
エナメル質形成不全。
歯が出来てくる過程で、体調不良などが原因で歯の表面のエナメル質が上手く出来上がらなかった場合です。
もう一つは、
初期虫歯。
虫歯の初期段階で、穴があいてしまうほどではないがエナメル質が少し脱灰されている場合です。
しっかりしたブラッシングをしていれば進行はしませんが、ケアが悪いと虫歯になっていきますので注意が必要です。少しもろいのではがれてきたりすることもあります。
どちらも、エナメル質の構造が乱れて、光が乱反射したり通しにくくなり白く見えています。
ブラッシングをしっかりしていれば特に問題無いですが、見た目が気になる人は結構いるようです。
さて、このホワイトスポットが審美的に気になるという治療が結構悩みます。
治療方法として、その白い部分を削って歯と同じ色の樹脂コンポジットレジンCRを詰める
「ダイレクトボンディング」や、歯の表面を少し削り薄いつけ爪のようなセラミックを貼る
「ラミネートベニア」という方法もありますが、ホワイトスポットは削る必要がない部分でもあるので出来れば削らずに治したいですよね。
わたしも今までこの手の相談があった場合は、削りたくないので、全く削らずに歯の表面にレジンを薄く盛って目立ちにくくするというのをしていました。
つまり上に色をぬるということですね。
でもこれにも欠点があり、レジンの劣化のために境目が目立ってきたりすることもあります。
なのでもっといい方法がないのかなぁって思っていました。
で、いろいろ調べていると、ホワイトスポット専用の治療キットが発売されていることを知りました。
それがこれです。
「ＩＣＯＮ」（アイコン）と言います。
日本での販売をしているヨシダのＨＰに商品の紹介が載っているのでリンクを載せておきます。
▼
ヨシダ アイコン
パンフレットをＤＬ出来ますので気になる患者さん、歯医者さんは読んでみると良いと思います。
ICONの方法は、酸で白くなっている部分を少し処理して、そこに透明な樹脂を浸透させることで光の透過性を回復させるというシステムです。
面白いアイデアですよね。
フェイスブックなどで海外の歯医者さんのICON治療例が流れてくるのでそれを見ていますが、ICONで結構綺麗に治っています。
ということでわたしもちょっと高いですが購入して実際に治療に使用してみました。
で、結果が下の写真です。
After写真は治療後６ヶ月経った状態です。
かなり改善されていると思います。
実際、治療前は、普通に話をしている距離でも目立っていましたが、治療後は歯科治療の近距離で見てもあまり気にならない程度にまで改善されていました。
思った以上に効果のある方法だと思います。
パンフレットにも、深いホワイトスポットには不向きと書いていましたが、今回の患者さんのホワイトスポットは結構深くて、完全には改善していませんが、浅い部分が改善することで、かなり目立たなくなっています。
治療方法は、ラバーダムして薬液を順番に塗布していくだけですので、麻酔も必要ないですし、削る必要もありません。痛みも全くありません。
これはなかなか良い方法なのでは？って実際に治療してみて思いました。
ホワイトスポットの治療として、いきなり削るのでは無く、ICONで試してみる価値は十分にあると思います。
悩まれている方は気軽に相談下さい。
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