世界的有名な画家ピカソは、自分の絵を売るのが非常に上手だったそうです。
生前にここまで金銭面で成功した画家はいないそうです。
生きている間にすでに有名人だったそうです。
あるレストランにピカソが訪れた時、ウェイターの1人がこうピカソに言った。
「このナプキンに何か絵を描いてもらえませんか?もちろん、お礼はします」と。
ピカソは、これに答え、30秒ほどで、小さな絵を描いた。
そして、にっこりと笑って「料金は、100万円になります」と言った。
ウェイターは驚いて、「わずか30秒で描かれた絵が100万円ですか!?」と聞いた。
それに対して、ピカソはこう答えたという。
「いいえ、この絵は30秒で描かれたものではありません。40年と30秒かけて描いたものです。」
ピカソは当時、40歳だった。
なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか? 山口揚平 著
このエピソードを読んでピンとくる人は物だけでなく、技術や知識、時間にも価値があり、お金がかかるということを理解している人だと思います。
どうしてもお金を払う時には物と引き換えというイメージがありますが、技術や知識、その相手の時間にもお金がかかっていることを忘れがちです。
例えば、歯医者さんに行って、口腔内を診てもらって、原因の説明、治療方針、原因の根本的な解決のための生活改善の方法を説明してもらっただけで、実際に口腔内を削ったり、型を取ったりなどの治療をしなくても本当は費用が発生するはずなんです。
現在の保険診療の制度では、説明やアドバイスなどには全く費用はかかりませんし、費用を取ることは出来ません。
でも、この部分にはその歯医者さんの今までの知識、経験、技術、そして話をした時間がかかっています。
知識、経験、技術などを得るためにはかなりの時間とコストがかかっています。
話をした時間は、その歯医者さんの時間を独占している、購入しているとも言えます。
技術や知識をもとに生きている人たちに気軽にその技術や知識を、「ちょっとお願いする」という行為がどれほどおかしいことかということを理解する必要があると思います。
「ちょっと教えてくれればいいじゃん。プロなんだから。」って結構言ってしまいがちですが、
プロだからこそ無料では教えられないんだと思います。
この本のエピソードを読んで、カウンセリング時間にも価値を感じられる歯医者さんになれるように努力をしていきたいなぁって思いました。もちろん治療自体にもね。
あと、他人の知識や経験、技術、時間にも、もっと敬意を払える人間になりたいと思いました。
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