いきなりダイレクトボンディングでの治療前後の写真です。
患者さんはすきっ歯が気になるということで来院されました。
歯と歯の間に隙間がある「すきっ歯」、専門用語で「歯間離開」といいますが、前歯の真ん中にあると結構気になると思います。
基本的に歯間離開の直し方は「矯正」が第一候補です。
理由はやはり「歯並びの問題」は「歯並びを治す」ことが一番だからです。
でも、矯正には
- 時間がかかる
- 矯正装置をつけないといけない
- 費用がかかる
というデメリットも有ります。
今回の患者さんも結婚式が控えているということで出来るだけ早く改善したいという希望がありました。
ということで別の治療方法、「歯並びの問題」を「歯の形を変える」ことで目立ちにくくするという方法を取りました。
歯の形を変える方法には
- 被せ物をする（オールセラミックなど）
- つけ爪をする（ラミネートベニアなど）
- 樹脂をつける（ダイレクトボンディング）
などが主になってくると思います。
被せ物は大きく削る、つけ爪も少しは削る必要があり、健康な歯をあまり削りたくないと考えている人は多いと思います。
そうなると歯と同じ色の樹脂コンポジットレジン（CR)を盛り付けていく「ダイレクトボンディング」が次の候補になってきます。
レジンは普段は柔らかい粘土のようで、自由に形を変えることが出来ますが、特殊な強い光を当てると数秒でカチカチに固まります。
この性質を利用して歯の表面に盛り足していきます。
この時、形や色、質感をナチュラルに作っていくのは術者つまり、歯医者さんの腕の見せ所です。
ここはセンス的なところが影響してくると思います。
なのでダイレクトボンディングを希望されるときは歯医者さんをしっかり選ばれると良いと思います。
今のところ私の腕は上の写真くらいですね。
こだわりは、埋めた隙間の歯の根元です。
自然な感じで歯の根本が立ち上がってそれによって歯ぐきが綺麗な形に寄せられているのが分かると思います。
私は歯ぐきの上にレジンが乗るような感じにするのは後のメンテナンス、つまり歯ブラシがしにくいのでしません。
さて、今回の治療のもう一つのこだわりは、「どうやってナチュラルにバランスを取る」かです。
というのも今回のすきっ歯、間が非常にあいています。
しかも、外向きに歯が傾いている、漢字の八のようになっていますよね。
ただ単に、真ん中の隙間をレジンで埋めるだけだと、歯が大きくなり、しかも横に太った形になってしまいます。
実際最初のカウンセリングの時にレジンを光を当てずに盛るだけのデモをいつもするのですが、その時の実際の写真です。
明らかに、真ん中の歯だけ大きく、樽のように横に太った形になっています。
これだと、すきっ歯は改善されますが、「歯が大きく見える」という次の悩みが発生してしまいます。
ということで、真ん中の歯の外側を少し削らしてもらって形を整えることと真ん中から2番目の歯もダイレクトボンディングで大きくすることを提案させて頂きました。
デモで歯を削るのは出来ないのですが、2番目を大きくすることは可能なのでそれをした状態のデモ写真です。
上と比べるとやはりちょっと感じが違いますよね。
ということで、形を整えて、4本の歯をダイレクトボンディングすることに決定しました。
このような「しっかりした、イメージしやすいカウンセリング」を当医院ではこだわっています。
というのも、せっかく治したのに別の悩みを作ってしまっては意味がありませんからね。
ダイレクトボンディング直後の写真です。
ハの字になっていた部分が垂直になって、2番目も少し大きくなることで、バランスが良くなっているのが分かると思います。
3週間後にチェックに来られた時に、患者さんが
「治療したことを説明しないと誰も気がついてくれないんですよ」
って言われました。
私の目指しているところですね。
治療したことがすぐに気がつくというのはやはり違和感があるからなんですよね。
ナチュラルに治した場合は、違和感が無いので気にならない。
で、ふと思い出した時に「あれ？すきっ歯だったのような？」って言われるのが一番良いと思っています。
芸能人のように綺麗だけど明らかに治療しているっていうのはちょっと私の好みでは無いのです。
こんな感じの治療を希望される場合は連絡を下さいね。
歯と同じ色の樹脂であるコンポジットレジン（CR)を、直接、歯に盛り足していくことで、
むし歯の治療や、歯の形・色をかえたりすることが出来る
審美歯科治療方法「ダイレクトボンディング」
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