2012/06/02

ドクターせっかちと言われないようにしないとね。

最近、わたしが、大いに関心がある「スローライフ」という概念があります。

今読んでいる「スローライフ入門」(カール・オノレイ著)からちょっと医療に関する文章があったので紹介したいと思います。
長文の引用になりますがお許しを。


スロードクター 患者の声に耳を傾ける医療

私の名前が呼ばれると、病棟勤務員から診療室に入るように指示された。中に入ると若い医師が机に向かって座っている。

とたんに心が沈んでいくのがわかった。あらゆるものが、ネクタイについたコーヒーの染みまでもが、こう訴えていたからだ。

さっさとすませてくださいね!

彼はあいさつもそこそこに、つぎつぎと質問を繰り出してくる。

どこが痛むんですか?いつからですか?どんな時に痛みますか?

彼が求めているのは、素早く返ってくる簡潔な答え。

わたしが詳しい説明をしようとすると、それを遮るようにして断固とした口調で自分の質問をくりかえす。これではラチがあかない。わたしは、自分の怪我のことをあますことなく伝えようとしているのに (スポーツの習慣を変えたこと、痛みがひどくなるまでの過程、鎮痛剤やストレッチングの効果、普段の姿勢に影響があらわれてきたこと) ドクター・せっかちが望んでいるのは、質問事項の枠にチョイチョイと印をつけて勤務時間を終わらせることなのだから。

短い診察の間に、彼はちらっと腕時計を盗み見た しかも、二回も。

痛みの原因を特定できなかったので、今の鎮痛剤を飲みつづけ、階下に行って、MRIスキャンと血液検査を受けるようにとドクターが言う。

もっと訊きたいことがあったのに、わたしの持ち時間はそれで終わり。

わたしは痛む足をかばうようにしながら外科の病棟を後にした。

なにしろ、診察を打ち切られてしまうほどの重症患者なのだ。


ファストな医療が見過ごしていること

自分も同じ気持を味わったことがある、という人が大勢いるはずだ。世界中の病院や診療所で、医師たちが急いで診療をおこなわなくてはならないというプレッシャーにさらされている。

過度の負担に苦しむイギリスの国民保険サービスでは、一般家庭医の平均的な回診時間は六分前後。

潤沢な資金に恵まれた個人病院でも、医師たちがせっかち菌の犠牲になっている。いつでも対応できるようにポケットベルで管理されて、いわゆる”ポケベル医療”を行うはめになっているからだ。

結果的にできあがったのが、その場しのぎの応急処置に基づく医療文化だ。西洋医学には、患者の話にじっくりと耳を傾けて、健康状態や精神状態やライフスタイルといったあらゆる面から患者の状態を探っていく代わりに、とりあえずは目の前の症状に狙いを定める傾向がある。

その次に来るのは、十中八九はテクノロジーだ

スキャンに、薬物療法に、外科手術。いずれも短期間で手っ取り早い結果を導くためのものであり、患者の方でもそのあわただしさに荷担している。

秒単位で時間を計算するような世界では、わたしたちの方でもできるだけ速やかな診察、治療、治癒を望んでいる

いや、それが当然だと思っているのだ。



この文章を読んで、心に響かない医療関係者はいないと思う。

どうしても忙しい診療をこなしていると目の前の症状のみに目が行ってしまい、その症状を持っている患者を一人の人としてみることがなくなってしまっていることがある。

いわゆる視野が狭くなっている状態だと思う。

目の前の虫歯や歯周病をなおすために削ったり、詰めたり、抜いたり。

その背景にある「なぜ、そうなったのか?」をなおさない限りまた同じことが起こるのに、その原因を探すことなくその結果のみを突貫工事している。

う~ん、どこで間違えたのか・・・

もっと、話を聞く時間を取らないといけないのだろう。
もっとスローな治療をしていくべきなのだろう。

そう思いました。

自分の診療スタイル、診療理念みたいな根本的なことを考えさせられます。

最後に、もうひとつ引用を


「なんだか、わたしがひとりで文句を言っているみたいで。ほら、先生たちの時間を無駄にしているような気分にさせられてしまうんです」


気がつかないうちにそんなことを思わせているかもと心に刻んで頑張って行きたいと思います。



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