▼治療例 ぶつけて歯の先端が欠けた治療(CR) その3
2週間前くらいに痛みが出てきたと言うことで来院されました。
初回来院時の写真はこれなんですが、
多分、この折れ方だったらほとんどの歯医者は神経をとって、被せ物という流れになっていたと思います。
私も悩みました。
でも、
自発痛(何もしなくても痛い)・咬合痛(咬むと痛い)・打診痛(たたくと痛い)のどの症状もなく、
露髄(神経が見える)こともなく、
空気をかけるとしみるということでした。
ので、
あえて、神経を残してみました。
もちろん、本人に、痛みが出て神経取ることになる可能性をちゃんと説明して、
その上で、同意を得て治療しました。
で、今回、結局神経を取ることになりました。
結果論からすれば、私の判断は間違っていたことになりますね。
予想が外れたんですからね。
しかも、患者さんには痛みを経験させたわけですね。
でも、今回の状況になって改めて「私の選んだ治療は間違っていたのか?」ということを考えてみました。
やはり、改めて考えても、あの時はあれで正解だったと思っています。
理由は、自分がもし同じ症状だったら自分に同じ治療をしていただろうと自信を持って言えるからです。
1%でも神経をとらないですむ可能性があったならそれにかける方が良いと私は考えています。
神経を取らないで痛みが出たら、その時、神経を取ったら良いと思います。
神経を取ってしまったら神経を元に戻すことはできません。
とにかく、出来るだけ元に戻せない治療は最終手段にすべきだと思っています。
知り合いの歯医者仲間には、「疑わしきは麻抜(神経を取る)」という考えを持っている人もいます。
それも、忙しい保険診療だから、サービス業だからという面を考えると仕方ないことなのかも知れません。
その考え方を否定する気はありませんが、
私は、「疑わしきは麻抜せず」をする歯医者でいたいですね。
ちなみに、この患者さんは、神経を取って、根充(神経のあったところを埋める)して、神経を取るための小さな穴を埋めて終わりました。
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